1学期終業式校長式辞 九州北部豪雨から2週間

~九州北部豪雨から二週間~

今回の集中豪雨により、朝倉地方は甚大な被害をこうむりました。

本校においても、住んでいたところが大きな被害に遭ったり、保護者の職場が被災し、厳しい状況に陥ったりした生徒が少なくありません。まだまだ落ち着くまでには時間がかかると思いますが、少しずつでも良い状況に戻っていくことを願っています。

災害発生後、厳しい状況の下で、生徒諸君は協力し合って頑張ってくれたと思っています。現在までに、かなり多くの本校生が支援活動・ボランティア活動に関わったのではないかと思います。災害発生当日から土砂が流れ込んだ自宅の復旧に頑張った人、被災した近所の家の片づけを手伝っている人、また、災害発生の翌々日には、友人を励ますために甘木から杷木まで自転車で駆け付けた人、多くの人々が避難した朝倉光陽高校に食料を差し入れに行った人、通りすがりに、土砂の撤去作業を行っていた老夫婦に声をかけ、そのまま作業を手伝った人。

にじみ出る生徒諸君の支援に対し、感謝の言葉が本校にいくつも届きました。学校が把握しているだけでも、災害発生当日から本日までの二週間で、延べ342名の生徒諸君が支援活動・ボランティア活動に従事しています。

しかし、それは本校生が行った支援活動・ボランティア活動のごく一部であると思います。災害から本日までの期間、多くの諸君が、それぞれ自分にできることを自主的に考え、行動してくれました。そのことに対して生徒諸君に敬意を表すとともに感謝申し上げます。

今できることを自分で考えて、行動に移すことができるのはとても素晴らしいことです。相手を思いやる気持ち、人のために何とかしなければという君たちの気持ちを大切にしてください。

朝倉東は挨拶や清掃で日本一を目指しています。それはそれで大変意義あることです。しかし私は、人に対する思いやり、人に対する温かい気持ち、人を温かく包み込み、楽しくさせる雰囲気において、朝倉東高校はすでに日本一ではないだろうかと思っています。「かんじんなことは目に見えないんだよ。」とは「星の王子様」に出てくる言葉ですが、相手を思いやる気持ち、人のために何とかしなければという、日本一の温かい思いやりがこの学校にはあると、私は思っています。

そして、まだ、考えていない人。今回の災害で被災した地域の情景、被災した人々の心情を想像してください。できれば自分の目で確かめてください。

自分に何ができるか、自分はどのようにあるべきかを考えてください。そして自分なりの、自分だけの行動に移してください。

但し、皆さん。何よりも安全第一であることを忘れないこと。自分本位の考えでは人の役に立つどころか、二次災害を引き起こすこともあります。十分な準備をして活動してください。支援活動の情報は朝倉市のHPに掲載されています。また、この夏休み期間中、本校も諸君たちに情報提供を行います。参考にしてください。

さて、一学期が今日で終わり、明日から夏休みに入ります。3年生諸君は勝負の夏休みです。いよいよ進路を真剣に考えて決める時期が来ました。3年生諸君は体育祭を大成功に導くことができました。今度は自分の進路実現です。苦手な教科の克服はもとより、一日を有効に過ごすために学校を最大限に活用してください。明日からの夏休みを有効活用できるかどうかで大きな成長の差が生まれます。

2年生は本校の中核として、体育祭や部活動を支え、成功に導いてくれました。本当に感謝しています。しかし、皆さんにとってもこの夏休みは貴重です。先ほど3年生諸君に話したように、2年生はあと一年後には進路先を決めなければなりません。そろそろ将来のことを保護者の方と話し合う時です。また、コミュニケーション能力などの人間性を磨くことも重要です。ボランティアや地域活動などを通じて、幅広い年代の方と交流したり、体験談・経験談を聞かせていただくことが近道です。夏休みを単なる休みや遊びに費やすことなく、自己鍛錬のいいチャンスにしてください。

1年生はすっかり本校の生徒らしくなりました。先生方、生徒が一丸となり、溌剌と学習に学校行事に打ち込む姿勢が1年生の特徴だと思います。先生、生徒一丸となって、この夏、さらに成長してください。

最後に、諸君全員にお願いがあります。夏休みにおいて、健康面、安全面に十分注意を払っていただきたい。この夏は猛暑が予想されています。熱中症や、水の事故等に十分注意していただきたい。健康面の管理、事故防止について、各自、気を引き締め、万全の注意を払うことをお願いします。

 

2017年07月20日