熊谷洋輝先生から
昨年度、3年生の担任をしていました商業科の熊谷です。表彰式や卒業式で3年生の堂々たる姿を後輩諸君に見ていただきたかったのですが、残念ながら表彰式は放送、卒業式は在校生代表のみの出席になり、それは叶いませんでした。君たちの先輩である第63回卒業生194名は、3月1日に心身ともに成長し、輝かしい未来に向かって、立派に巣立っていきました。まずは、このことを報告させていただきます。
現在、学校は授業や部活動もなく、明るく元気な東高生の声が消え、静まり返っています。外出自粛が続き、生徒の皆さんはストレスを抱え、憂鬱な日々を送っていることと思います。当たり前と思っていた日常生活がストップし、本当に苦しい毎日だと思います。何気ない普通の生活が如何に大切であるかを実感しているのではないでしょうか。さらに、ショックなことに部活動(体育系)に熱心に取り組んでいる生徒の大きな目標である全国高校総体の中止が決まりました。3年生は最後の大会に向けて、臨時休業中も自宅でトレーニングに励んでいたことと思います。本当に、つらい決定となり心に大きな穴が開いたと思いますが、命が一番大切ですから、この現実は受け止めなければなりません。
さて、新型コロナウイルス感染症の終息は、見通しが立たず、先の見えない苦しい状況ですが、何とかして前に進むことを考えてください。自分ができることを見つけて、一歩でもいいから前へ進んでください。何もしなければ、この時間が無駄になります。不安なこともあると思いますが、とにかく前向きに取り組みましょう。この時間を有効活用し、苦手科目の克服や英検・漢検・簿記検定などの資格取得に向けての学習にエネルギーを注ぎましょう。特に、3年生は就職試験や大学の推薦入試等で行われる面接試験に備え、自分の言葉で語れるように準備をする時間に充ててほしいと思います。例年、志望理由や予想された質問に対しては的確に返答できる生徒が多いです。それは面接試験の対策を行い、しっかり練習しているからです。しかし、面接官は練習の賜物であることをすぐに見抜きます。面接官は意表を突く質問に対して、どう反応するかをワクワクしながら見守っているのです。自分が実際に体験したこと、感動したこと、課題を解決するために思考を揺さぶったことなどを自分の言葉で説明できるかが合否の分かれ目になるのです。
さあ、生徒の皆さん。今までに経験したことのない我慢の期間ですが、自分の将来に備え、明確な目標を立て、計画的に行動しましょう。この我慢の期間に経験したことが、今後の人生にプラスになることを信じています。
商業科 熊谷 洋輝